sleazy man
連夜ヨッティーたちと飲んでいる。みんないい歳をしているが、エンジン調整から大工仕事までこなす。
ヨッティたちはヨットに関する本もよく読んでいる。彼らが口を揃えて言うことは「簡単さ、すぐに覚えるよ」である。
彼らのなかには今も大きな船の船長や、元海軍の教官に元空軍パイロットもいる。それなりの航海経験と技術を持っているが、南雲は琵琶湖でデンギーをちょっと練習した程度である。
エンジンや航海機器など見ただけで萎えてしまう。機械いじりは嫌いだし、大工仕事もイヤである。だから業者にお願いするほかない。
バッテリーチェックなどの細かいメンテも定期的にしないといけない。船舶関係の本は必要最低限を持ってきたが1ページ目でイヤになった。見事におもしろくない本は内装屋の倉庫に放り込んだままだ。
ヨッティたちはビールをガンガン飲みながら女と酒とドラッグに関するジョークを飛ばす。スラングが出るたびにその意味を教えてもらいメモを取る。このような事に関しての学習意欲は旺盛である。
しかし、こんな調子で南太平洋へ航海できるのだろうか。停泊は錨を降ろすだけで、マリーナのように電気も水も完備してない。水タンクの量も限られているから、海水で身体を洗い水でリンスするのだそうだ。雨が降れば水をためる。サバイバルである。
船はいろんなところが故障する。それを自分で修理しないといけないが、そんなスキルも知識もない。考えただけでナーバスになる。するとヨッテイたちからは「いざとなればやるしかないさ」とくる。いざとならないようにするには航海に出ないでマリーナに係留しておくほかない。今のところわがヨットは修理中でセーリングに出られずボートハウス状態である。
「セーリングに出られるようになれば、ここいらあたりで練習することさ、ピピに行って錨を降ろし停泊してみる。バーが恋しくなればパドンビーチに移動さ。ちょっとづつ慣れていけば、その先に日本もカリブもあるってことよ。気楽に考えな」
ヨッティたちの励ましがなければさっさとヨットを売りに出している。sleazy man南雲はめげない。このsleazyはスラングである。何かを探し求めるダーティーなオヤジてところか。ともあれ、わがヨットライフ、もうすこし頑張ってみる。
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